GEのリバースイノベーションは、従来のグローカル戦略と対をなす戦略だ。

これまでは、先進国で開発した優れた高付加価値製品を、グローバルに展開しつつも
ローカルに合うよう微調整していくことが、グローバル戦略の基本とされてきた。

事実、日本はそのような戦略が得意であり、各国もそのような戦略の元、
ヘッドクオーターがグローバルレベルで管理し、各ローカルではグローバル
指針のもとに売上目標を達成することが求められてきた。

しかし近年、ローカルで開発された低価格で中程度の品質しか持たないものが、
新たなグローバル市場を作り出す、ということが起きてきている。

これは、いわゆるイノベーションのジレンマ(付加価値製品を開発している
技術者が、低価格で品質がそこそこのものを開発しようとしない)にあたる
ものでもあるし、環境が変わったことを示すものだ。

ここでいう環境変化は、先進国の成長モデルと、新興国の成長モデルが異なる、
というものだ。これまでは、先進国のようなスピード、モデルで新興国も
成長していくものと考える傾向があったが、今や人口が10億を超える中国、
インドでは、70年代に先進国が発展した環境とは全く異なり、インターネットは
誰もが使うインフラとなり、その他の技術も当時とは比べ物にならないほど
進化している。
このような環境下においては、かつての先進国のような成長モデルではなく、
突然全世界のスタンダードになるようなサービスを生み出すことで、圧倒的な
成長スピードを誇る国が出てくるものと考えられる。

例えば、インド。タタが開発した20万円程度の自動車は、今は売れていないものの
アフリカ諸国でのニーズや、先進国でも車に移動手段以外の付加価値を求めて
いない層(例えば主婦の2台目需要)にとっては非常に魅力的なものだろう。

同様のことが、ITの分野でも起こりつつある。かつてはITサービスと言えば
シリコンバレー発、であったが、コスト/スピードを考えると今やインドのほうが
スタートアップには圧倒的に適しているようにも思える。
我々は、ネット掲示板(Nifty等)、メール、SNSと進化してきているが、彼らは
TwitterやFBを生まれた時から(!)使っているという人も少なくない。
物事を連続的な延長線上で考えがちな我々と、非連続で考えられる彼らとでは、
大きく環境が異なるのだ。


高度に社会化されることのメリットはもちろん多いけれども、そうではない
荒削りな部分が、社会や企業にも進化をもたらす。綺麗事を求めるのではなく、
競争の本質に立ち返ることが、今の日本には必要なのかもしれない。



そして無理やりBYODの話をする(笑)が、今やセキュリティ面ではBYODに
必要なソリューションは多数出てきている。MDMにVPN、実際にはその二つが
あれば、ある程度のセキュリティは守れると言ってよいだろう。

多くの企業が悩むポイントは、自宅でBYOD端末で業務システムにアクセスした際、
その労働費はどのように精算すべきか、という点だ。コンプライアンス、労務管理、
という点からは非常に重要な話だし、無視するわけにはいかない。

だが、労務管理というのはそもそも働くことが苦痛である、という前提から
出てきているものであり、あまり生産的な考え方ではない。好きなことに没頭し、
時間が経過するのも忘れてしまうような会社であり、それをサポートすることが
出来る会社が、成長力のある、強い会社なのかもしれない。

会社が社会の器になったとき、「働く」という概念が変化してしまうのだろう。

社員が、楽しく、心地良く、生活の一部として捉えつつも、奴隷としての労働ではなく、
人間本来の競争本能をうまく活かせる環境を提供できる会社にしていきたい。