日経BPのオンライン記事で田原総一郎さんがエルピーダ破綻について書かれている。
http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20120301/300967/?ST=business&P=1


 経済産業省幹部はエルピーダの経営破綻について、次のように話す。

 「半導体メモリーは、投資の規模とスピードで勝負が決まる。サムソンの投資規模は大きく、スピードも速い。それに比べ、日本は両面で遅れをとった。しかもメモリーには、新しい商品開発の可能性がない。新しい商品で勝負するということもできない」



私は半導体については全くの素人だけれども、規模の経済が効く投資ビジネスであることは
間違いなく、「そうそう、その通り」なのだと思う。

しかし、世界で第3位でしかなく、サムソンよりは投資余力が小さいエルピーダが、そもそも
規模の経済でサムソンを倒すことなどできない。従って、サムソンが先行投資したモバイル向けDRAMに対しての投資を行わなかったから破綻した、というのは結果論に過ぎず、技術の高度化などを目指したのは当然の戦略であり、それは大いなるチャレンジだと思われる。また、世界第2位のマイクロンとの提携も狙っていたとのことで、日米共同で韓国に対抗しようという動きも評価に値するものと考える。


いずれにせよ、戦略を後付論で評価するのは簡単な話。第一位のサムソンが規模の経済でコスト勝負になるようなところで勝負するはずないよね、と思って決算報告を見てみたら、2009年度の決算報告を見ると、スマートフォンや携帯へのDRAM市場が伸びることは予想していて、そこにも投資をしている様子。
http://www.elpida.com/ja/ir/pdf/2010-05-12-Q4FY2009PMJ.pdf

そして、2010年度はスマホ・タブレットで旺盛なDRAM市場とのこと・・・。
http://www.elpida.com/ja/ir/pdf/2010-05-12-Q4FY2009PMJ.pdf


なんだ、スマホで勝負しよとしてのか!?う~ん。

サムソンを超える投資ができるほどに資金調達ができると思ってたんだろうか。

破綻前に銀行預金を移し替えているところを見ると、銀行とは相当仲が悪くって、
貸してくれると思ってたのに貸してくれなかった、という思いが見え隠れ。
社債も2000億近いし、あらゆる株式市場で上場しちゃってるし、株もたくさん発行してるし、、、
最後の手段の銀行にも嫌われたのかな・・・。

まだあまり深くまで見えてきてないので、追って考えます!