営業部長が部下に「目標達成できるの?」と聞かれたとき、「できません」と答える人は少数派だろう。

「できません」と答えて、「もうちょっとがんばれ」とアドバイスする上司や、「なんで出来ないんだ」と叱責する上司は最悪だが、通常「できません」からは、なぜ出来ないのかを深堀する思考が働き、そしてできない真因を探し出して改善しようとする意思が働くだろう。

例えば営業担当者が、「お客様に提案できない」場合には、下記のような枠組みから解決策を考えて、じっくりと会話していけば良い。

・提案内容に関する課題
  - そもそも解決すべき課題が何なのかが不明
- 課題は明確だが解決策が見つからない
- 解決策は見つかったが、実現方法が不明
- 実現方法は明確だが、コストや実現性の問題がある

・営業担当者に関する課題
  - 作業が遅い、あるいは効率が悪くて提案検討(訪問)の時間が無い
  - 提案の重要性を感じておらず優先度が低い
  - 検討担当者が不明

・お客様要因の課題
  - 提案しても検討しないタイミング
- 予算が無い
  - 競合製品が既に入っている
  - 営業担当に会いたくない


「できない」には、必ず「どうやったら出来るか」が隠されている。
ひとつひとつ丁寧に障害を取り除いていけば、「できる」に変わっていくだろう。
(ネガティブシンキングからポジティブシンキングへの変化は必要で、この壁は結構厚くて高いので、指導する側は一つ一つの壁を低く見せて、壁を越える喜びを感じてもらったりしながら成長を促す必要があるだろう。)


で、問題は「目標達成できるの?」と聞いて、「できる」と言って上司/部下ともに脳死(思考停止)してしまう場合だ。
「できる」と言われれば、営業部長も「そうか、できるんならがんばれ」となんとなく安心して会話が終了し、聞かれたほうも「なんとなくできる」つもりになって思考が停止する。これは最悪のパターンだ。後々、「できると言ったのに何でできないんだ!?(怒)」になってしまうことが容易に想像出来る。

部下が「出来る」と言っているのであれば、そこで終わるのではなく、「どうやって実現するつもり?」と具体的な考えを深堀りして確認したりか、「逆にできなくなるとしたらどんな場合?」とリスクヘッジをさりげなく促すような会話が必要だろう。そうすることで部下自身の思考も深まり、成長が促される。ただ、これは「出来るって言ってるのに、なんだようるせーな」と思われない程度にやる必要があるが・・・。



対話の仕方次第で、人間はどちらにでも転ぶ。

そこが面白いところでもあり難しいところでもある。


弊社で扱っているLive800(http://live800.ids.co.jp)はWeb上での対話ツールだ。
対話をするときには、どちらの可能性もあることをよく理解した上で、じっくりと相手と接してもらいたい。




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